「はぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜;;;;」

「………」

今、盛大に私の隣で溜息をついているのは旅の仲間でもあり、恋人でもあるカランだ。

私たちはこの中つ国を滅ぼす邪悪な武器「指輪」を手にしている指輪保持者のホビット族であるフロド・バキンズと共に、旅の仲間10人で旅をしている。

そしてはその中でも唯一の女性。

辛い旅を続けてきた中で芽生えた想いで、多少戸惑ったが私たちはロスロリアンで同じ想いだと知った。

そして私たちは今、ローハンの王、セオデンの館であるエドラスにいる。

「はぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜………」

「………一体何なんだ;何か言いたいことがあるなら言ってみろ」

私は堪らなくなってそう言うと、隣に座っていたが私を見上げた。

「…………いい」

はそう言うと、またしても特大な溜息をついた。

「いいてことはないだろ?から私の隣に来たくせに、何も言わずに溜息なんてつかれたら気になるじゃないか。一体どうした?私が何かしたか?」

の顔を覗き込んでそう聞くと、は気まずそうに俯き始めた。

おいおい;一体どうしたっていうんだ?

昨日までは元気そのものだったじゃないか…

さすがに私も困ってきて、ポリッと頭をかいた。

「えぇっと……?」

「…………なの…」

「は?」

の声が小さすぎて耳に届かなかったので、今度はもっと耳を近づけて耳を澄ませる。

「だから!昨日エオウィンさんとアラゴルンが二人で話してるのを見て「お似合い」って思ったら悔しくて嫌だったの!!」

一気に捲し立てた為か、は肩で息をしながら私を見た。

私とエオウィン殿が…?

お似合い…?

それって…嫉妬というんじゃないか…?

「ップ!クックック…アハハハハ!」

なんて可愛い事を言ってくれるんだ…

私のお姫様は本当に可愛い事を言ってくれる。

「ちょ、アラゴルン?!何で笑うの?!」

あーあ、ほっぺをあんなに膨らませちゃって…。

チュッ

「ッ///!!!ななな何するのよ!!」

があまりにも可愛い事を言うからつい…」

「もう!またそんなこと言ってはぐらかす!」

おやおや?はぐらかしてなんていないんだが…

しかし、そんな真っ赤な顔をして怒られても逆効果だって事、分かってないらしい。

は私とエオウィン殿がお似合いだと言ったが、他の誰よりも私たちの方がお似合いだと思わないか?」

「え?」

「少なくとも私はそう思う。は?はそうじゃないのか?」

「………そう思いたい…」

「思いたい?」

「……お、思うわよ!」

全く…何で宣戦布告みたいに睨みつけながら言うのだろうか?

ま、そんなも可愛いのだけれども。

「じゃあ、お似合いの私たちは部屋に行って愛を確かめ合おうか?」

ニコッと(ニヤッとも言う)微笑んで私はを見つめると、は見る見るうちに首筋までも赤くなっていった。

「なななな、何言ってるのよ!!」

さん?明らかに動揺してますよ?

のそんな顔を見ちゃったら、普段冷静な私も理性がきかない。

「キャア!ちょ、降ろしてよ!!アラゴルン?!…ね、ちょっと…ほ、本…気?


我慢できずにをお姫様抱っこすると、は潤んだ瞳で私を見てくる。

チュッと音を立てて額に唇を落とすと、は私の首に腕を回してギュッと抱きしめてきた。

「大丈夫だから」

私はそれだけ言うと、が頷いたのを合図に部屋へと入っていくのだった…。




あとがき

えー…花梨さんからのリクエストで「旅の途中でアラゴルンと恋人設定で甘く…」だったのですが…突発的に書いたものなので、もしかしたら花梨さんの要望どおりじゃないかもしれません…;

というか、アラゴルンってこんなキャラじゃないだろうな…;アラゴルンのキャラを崩してしまって申し訳ありません;

しかし、苦情は花梨さんのみの受付になりますのでお願いします(笑)



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