「ファラミア!」
笑顔で私の元へ走り寄って来るエルフの様な美しい女性…私の愛しい恋人。
〜愛すべき〜
「、どうしたのです?今日はお友達とお茶をすると言っていたじゃありませんか?」
薄いピンクのドレスを翻しながら走り寄り、そのまま私の胸へと飛び込んできたに向かって聞い
てみた。
「何言ってるのよ!突然取れたからといって、久しぶりのお休みでしょ?ファラミアは私といたくない
の?」
上目遣いで聞いてくるが愛しくて、静かに唇を重ねる。
「私がと会いたくないなんて思うわけないじゃないですか」
耳にチュっとキスをするとはくすぐったそうに身をよじる。
「私だってお茶なんかよりファラミア会いたかったわ。ファラミアの話を聞く度に会いたくて会いたく
て…。でも、邪魔しちゃいけないと思って我慢してたんだから」
「…私の話を聞く度?」
言葉自体は嬉しいのだが、私の話をしているのは誰だ?
の顔を覗き込むと「ヤバイ」と言う顔をしていて血の気が引いていた。
「…私の話をしてくれているのっていうのはもしかして…」
「ち、ち、ち、違うよ!!エレッサール王じゃないからね!」
私はまだ何も言ってないのには犯人を教えてくれた。
その犯人は思っていた通りで、かつてはアラゴルンと呼ばれた野伏だったが、実はこのゴンドールの王
となるべく存在であり、兄のボロミアと共に英雄として帰ってきた人物だった。
「…ハァ」
毎日毎日王から山のような書類をたらい回しにされ、その為にこの一ヶ月間休みをもらえず、に
会うことも出来ずにもんもんと毎日を過ごしていたのに…それを思うと溜息が出た。
「ファラミア?怒らないで…。私…エレッサール王がファラミアの話してくれるって言うからつい…」
「私が休みをもらえなかったのはそのエレッサール王のせいなんですが?」
バツが悪そうにどんどん下を向いていくに尚も追い討ちをかけてしまった。
「え"?どう…いう…こと?」
の顔つきが一瞬変わった。
「エレッサール王のところから回ってきた書類を片付けるのに手一杯だったんですよ…」
「…」
「?」
の肩が震えだした。
「からかわれてたってことね…行ってくる!!」
そう言っては急に私の元から離れて城の中に入っていった。
「?!!!」
の後を追いかけたが、時すでに遅し…。
私の目に映った光景はが王に平手打ちを食らわしてる場面だった。
「!!」
尚も殴りかかりそうだったを必死に押さえ込み、エレッサール王から離した。
「ファラミア!離して!!アラゴルンは私たちの気持ちを知っていながらからかっていたのよ?!」
「、落ち着いて!落ち着くんだ!」
の顔を見ると、大粒の涙が止めどなく流れ落ちていた。
「…?一体どうしたと言うのだ?」
突然やってきたに理由が分からないことで頬を思いっきりぶたれ、ポカンとしていたエレッサー
ル王が口を開いた。
はエレッサール王を睨む。
「私がファラミアに会いたいのを我慢していたの知ってるくせに!!相談まで乗ってくれてたくせに!!
私の相談を聞いてくれてなければ…アラゴルンがちゃんと仕事してれば私はもっと早くファラミアに会
えたんじゃない!!」
それを聞いたエレッサール王は目を泳がせる。
「、それは―――」
「言い訳なんか聞きたくないわッ!自分の仕事くらい自分でこなしなさいよね!!」
とエレッサール王は指輪を葬る旅で一緒に旅をしてきた仲間だった。
エレッサール王はをゴンドールに招き、城に住まわすほど可愛がっている。
そんなが自分より他の男になびいた事を快く思っていなかった。
私にどんどん仕事が回ってくるのはその為なのは分かっていたのだ。
「私だってのことを愛しているから一緒にいたいと思ったんだぞ?」
さすがに今の言葉はを押さえていた私の心に火をつけた。
「何言って―――」
「エレッサール王。もうそろそろその辺にしたらいかがです?貴方が愛すべきなのはアルウェン王妃で
しょう?それと同じように私が愛すべきなのはただ一人なのです。」
私は王には諌めるように、には優しく諭すように言った。
「ファラミア…ッ!!私も…私の愛すべきなのもファラミアしかいないわ!!」
はギュっと私にしがみついてきた。
「ふぅ〜。お前たちの想いは分かった。確かに私もやりすぎたようだ。、ファラミア、すまなか
った…」
エレッサール王は私たち二人に頭を下げる。
「王、頭を―――」
「エレッサール王、私だって貴方のことファラミアの次くらいに好きよ!お父様みたいでw」
今まで涙を流しながら怒っていたとは裏腹に、今度は眩しいほどの笑顔になって王に微笑んでい
た。
「全くには敵わない!いきなり殴られたのはショックだったぞ?」
そう言ってに叩かれた方の頬を手でさすりながら苦笑していた。
「あら、自業自得よ!でも…許してあげる♪ファラミアが私のこと「愛してる」って言ってくれたのよ
!!ね?ファラミア」
は首を少し傾け、私の首に腕を回して聞いてくる。
「ええ、ちゃんとのこと愛してますよ」
その場のノリで私も他の人がいる前で言ってしまった。
「大好き!!」
そう言っての唇が触れる。
誰にも渡さない、私の大事な愛すべき恋人。
あとがき
楽しい。楽しいんです。楽しいんですけれども…自分の文才がついていかなくて切ない(泣)
折角素敵なお題なのに私の駄文で潰れてしまうぅ!!
でも、心のどっかで「自分が楽しければいいじゃん♪」とか思っています;
ここまで読んでくださった様、ありがとうございます!
是非またいらしてください☆
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