こんな事を望んでいたわけじゃない…

二人でいれば幸せだと思っていた…

その幸せが永遠に続くものだと感じていた…

全てが崩れ去るまでは…



「オーリィ…私たち…もう別れましょう…?」

「…え?」

最愛の恋人であるから突然言われた別れの言葉。

そう、あまりにも突然すぎて、今が言ったことの意味を理解するのに多くの時間がかかった。

…?急に…どうしたの?な、何でそんなこと?」

「…オーリィといるのが辛いの…」

「辛いって…どうして?!一体何が辛いのさッ!あ、もしかしてファンの子達が何かしたとか?!」

僕は必死になっての肩を掴んで揺さぶった。

しかし、は首を横に振るばかり…。

目には涙をいっぱい溜めて。


どうして?

何で別れるなんて?

僕にはが必要なのに…

付き合い始めてから2年。

僕はを好きだという気持ちが薄れていくことはなく、むしろ毎日少しずつ愛情が深くなっていた。

当然も同じ気持ちでいてくれてると思ってたのに…

の気持ちは一体いつから僕から離れてしまったのだろう…

を好きすぎて、の心の奥底まで見えなくなっていたのか?

一体僕の心はどこへ行ってしまうのか?

そしての心はどこへ行ってしまったのか?

本当に僕の元へは戻ってこないのか?

もう…手遅れなんだろうか…

「お願いだよ…。理由を聞かせて…?僕はを愛してるんだ。簡単に別れることなんて…出来ないよ……ッ」

「………っ」

ッ!!」

「…ごめんなさい…。全部…私が悪いの…。オーリィがロケに行っちゃって…寂しくて私ッ!」

「どういう…こと…?寂しくて…何?」

の言葉に必死に耳を傾けていた僕は、声が震えるのが分かる。

きっと次の言葉を聞いちゃいけない。

そう思っても、口からは問いかけの言葉しか出てこない。

…一体…どういうこと…?」

「………他の人に…抱かれたの…」

「ッ!!」

「だから…もうオーリィの側にはいられない…。ううん、…私なんかがいちゃいけないの…」

「………」

「本当にごめ――」
「誰なの?」

「え?」

僕は自分でもビックリするほど冷静になって、の言葉を遮って聞いた。

を抱いた奴って誰なの?」

「…私の…仕事場の人。いつも私の相談を聞いてくれて…いつの間にか彼のことが…好きになってたの…。だから…オーリィと一緒にいるのが…辛い…」

一体は何を言っているんだ?

僕以外の人を好きになった?

僕以外の人に抱かれた?

僕以外の人に微笑みかけて、僕以外の人に…愛を囁いてるのか…?

の心は…もうその人にあるって…そういうこと?」

冷静に、だけど震える声でそう問えば、は涙を零しながら小さく頷くだけだった。

こんなに愛してるのに…

をこんなに愛してるのに!?

何故離れて行ってしまう?!

僕がの側にいる時間が短いから?

それでも必死にの事を考えてきて大事にしてきたつもりだ。

それがこの結果?

がいたからやって来れたのに…。

これからの僕は一体どうすればいいんだ?

がいない世界は考えられないんだ…

「ごめんなさい…」

呆然と立ち尽くしている僕の前を、は過ぎ去って行った。






「おい、オーランド!お前まだ忘れられないのか?」

「…ヴィゴ…;そう簡単に言わないでくれるかな?僕は本当にのことを愛してたんだよ…」

「だからと言って毎回毎回、彼女の後姿に似た女性に振り返るのは止めろ;」

「…そうだよね…;」

久しぶりのオフを、一人で居たくなくてヴィゴ誘って飲みに出てきた。

本当にそうだよね…

が僕から離れてから1年、それでもまだに似た人を見ると思わず振り返ってしまう。

あれから1度も連絡が出来ずにもう1年…

に振られてからというもの、がむしゃらに仕事をしてきた。

仕事をしていれば、その時だけはを忘れられるから…。

「ッ!!」

「ん?おい、オーランド?どうした?」

だ…

に似た人」じゃない。

あれはだった…

僕の知らない男と二人で仲良く腕を組んで歩いていた…。

幸せそうに笑っていた…

もう、僕にはあんな顔させることが出来ないんだ…

「いや…なんでもないよ。行こう!」


…さようなら…





あとがき

えー…オーリィとの悲恋なんぞ書いてしまいました(滝汗)

しかも、いくら夢小説とはいえ、オーリィに振られたくなかったので…振ってしまいました(爆)

しかもしかも、他に好きな人が出来たとか言って!!

実際自分がオーリィと恋人だったらって考えたら、絶対にそんなことありえないし!!

オーリィを振るなんて馬鹿なこと絶対に出来ませんよね?!(笑)

ま、それでもお題に沿って「別離」、書かせていただけました。

感想など頂けましたら嬉しいです♪





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